とうもろこし畑からの眺め

エスパ作品は平野レミ、NiziUはてれび戦士

【TXT】名言製造機カンテヒョン、目立たないが賢い彼とTXTの行く先は

アイドルを純粋に楽しんでいるというより、ひっそりと観察している節がある筆者が見つけた、面白いアイドルをシリーズでお送りしております。前回のNCT DREAMチョンロに続き、今回はTOMORROW X TOMORROWカンテヒョンについて書いていきます 。

 デビュー当時、一瞬で動画を閉じた筆者

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2019年3月。TXTがデビューした当時ですね、しっかりとMVもデビューステージも確認したのですが、正直 「あー BigHitは結局イケメンを5人集めたんかあ、それ一番つまらんやつやわ」と思い筆者は静かに動画を閉じました。

 

ボーイグループに関心のない筆者はそもそもちゃんと観ようともしてないんでね、どのグループみても基本そうなりますわ。そして歌詞の奥に込められた世界観など確認することもなく、「おー角が生えたって言ってんなー」程度で終わりました。もちろんヒュニンカイしか顔の識別できませんでした。


Tomorrow X Together-Crown(어느날 머리에서 뿔이 자랐다)[Music Bank/2019.03.29]

 デビューから1年が経ち、収録曲もステージ動画も増え、メンバー5人の人間模様も徐々に分かってきたところでTXT意外とおもろいなとなり、今にいたります。事務所が入念に作り込んだTXTの世界観が少しずつ見えてきて、今後どうあのストーリーをBigHitが次の段階へと展開していくのか気になってしまっています。

そして見つけてしまいました、カンテヒョン。

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基本情報

  • カンテヒョン(강태현)
  • 2002年2月5日生まれ(TXTではヒュニンカイとともに末っ子ライン)
  • ソウル特別市江南区出身

私が思う彼の印象と魅力をいくつか紹介していきたいのですが、まずなんといっても

①とにかく賢い

韓国の一部ファンからトクテヒョン/똑태현 (※韓国語で賢い子の意味をもつトクチェギ/똑쟁이からついた愛称)と呼ばれていますように、彼非常に頭が切れます。インタビューの様子やメンバーとの会話などステージ外の言動に注目してみてみると、賢さ・鋭さがにじみ出ています。頭のいいアイドルは見ていて面白いので筆者はけっこう好きです。

 

彼は一応TXTの中で日本語担当ということになっていて、まあまあ日本語を話せます。語彙や表現の幅は少なくとも、丸暗記したというより基礎的な部分はかなり理解した上で使っている感じがして、やっぱりカンテ頭いいんだろうなーと感じます。英語もネイティブではないですが、実用的なレベルで操っています。

 

この「カンテヒョンは頭がいい」という中にも “試験勉強が得意” “知識が豊富”といった学力的な意味での賢さもあると思うのですが、物事やまわりの状況を鋭く観察しているという意味での賢さも含まれているのだと思うんですよね。 「あ、これいけそうだな。もしくは、これこのままいくとまずいんじゃないか。」というような勘の鋭さも併せ持っている感じがします。グループ内にこういう察しが良く、かなり頭の良い子が一人でもいると興味が湧いてしまう筆者です。(しかしカンテヒョンのこの賢さがグループの面白さ、行く末にどれほどうまく作用するのか、その賢さが今後彼の大きな魅力になっていくのか否かは、まだ大きな確信は持てていません。もう少し見てみる必要がありそうです。)

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②ひと悟りは終えてます。ええ。

彼 がよく名言製造機、人生何周目?と言われていますように、2002年生まれの高校生なのですが精神的にだいぶ成熟していて、そして達観しています。結構本質を得たことを口にするんですよね。自分だけの哲学がありそうです。そして圧倒的に理性的という感じがします。

 

かつて不定期で「カンテのお悩み相談 Vlive」をしていたのですが、カンテヒョン の返しが結構秀逸でおもしろいのでぜひ見てみてください。2019年12月のVliveの中で「夢がないのですがどうしたらいいんでしょう」という質問があったのですが、自分が実際こうだった時は〜と自身の体験を交えながらアドバイスを送る当時高校2年生のカンテに筆者は感心しました。お悩みへの返し方、言葉選び、彼なりの結論を聞いて、本当にいい意味でぎょっとしましたね。立派だなと。

 

このように、頭の良さと第一悟りはかるく終えているがゆえの心の余裕がにじみ出ているカンテでありますが、筆者はそんな彼がアイドルをやっていることが不思議でもあります。

 

TXTが現段階では、自分への違和感や葛藤、人間関係の悩み、現実からの逃避などをテーマに歌を歌ったりしていますが、カンテヒョンはもうそんな段階にはいないだろうなーと思いながら見ています。自分がどんな人間かもよく理解しており、人生観や自身の道徳基準みたいなものを一通り確立し終わって、もうどんなことが起こっても自らの軸にしたがって対処できるぐらいの芯の強さを感じます。やはりチームにこういう子がいると気になってしまう筆者であります。

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③アイドルとしての役割を全うするカンテヒョン

カンテヒョン はなんとなく自らの職業を天職あるいは適職だと自覚して、アイドルとしての役割を全うしている感じがあるんですよね。しかし、生まれながらのアイドルだなーと言いたくなる感じでもないです。人一倍頭が切れて、多分何やらせても偏差値60以上でできちゃうタイプの彼だと思うのですが、かといってアイドルの分野ではBigHit 伝説の練習生ヨンジュンのように全分野ぶっちぎり1位を余裕でかっさらっていくという感じはなく、自分の頭で考えながら着実に練習を積んできたのだろうなというような印象を受けます。(全て筆者の想像に過ぎないのですが)彼自身、アイドルという職業がまた自らを成長させる場であることを心得た上で、日々精進しているんだろうなと感じます。

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④"職業アイドルの賢いカンテ”フィルターがかかった後は

このFancam動画とかどうでしょう。


[입덕직캠] TXT 태현 직캠 4K ‘Drama’ (TAEHYUN FanCam) | @TXT Comeback Show

自分がいるべき場所を悟って、覚悟を決めてアイドルやってる頭のいいカンテというフィルターを一度かけてしまうと、ステージ上の様子が違って見えてくるんですよね。そしてとてつもなく彼の今後の成長が気になってしまいます。

 

思った以上に不器用に、新人感出しながらでやっています。誰よりも健気に習った通りに踊ろうとしている感といいますか。常に重心低めで首から下を器用に動かしながらも顔は絶対にぶれないヨンジュンと異なり、頭も髪もぶんぶん振り回してます。頭が切れて、達観しているのに、あんなにガクガク健気に踊っちゃっているんですよ。この健気さと余裕のない感じは新人時代の期間限定でいずれ消えていってしまうのでしょうか?

 

5人の全体の動きを確認する用にこちらも。赤髪の彼です。健気に踊ってます。


www.youtube.com

他にもMRを除去した動画とかを見てみると、あの振り付けを成立させるため思った以上にみんな歌っていない中でもヒュニンカイとカンテヒョンはかなり声入れて歌っていることが多いです。そういう動画を見て、カンテやるやん頑張るやんみたいな謎の気持ちになって今後の成長も含めて気になってしまう筆者です。

 

というように一度彼の性格を知ると、あの誰よりも健気に正確に新人全開で踊ってるダンスも、5人の曲の中にある伸びやかで高めの歌声も、身長176cm で一番小さいことも、きっと今後もグループ内人気No1.にはならなそうな部分もいろいろとますます魅力的に見えてくるんですよね。あの4人が周りにいるからこそ感じられる魅力でもあります。

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TXT今後もきっと大丈夫やろと思わせてくれるカンテ先生

おそらくこの先も「BTSの弟分」と言われ続け、周囲からの期待も大いにかけられるに違いないTXTだと思うのですが、あの5人なら、そしてあのカンテヒョンがいるならば何を言われようが大丈夫なんじゃないかな、彼らだけのアイデンティーを見失うことはないのではと思っております。彼の賢さがうまく作用するかの確信はまだ100%に達してはいませんが、多少なりともTXTに賢い子がいる安心感を勝手に覚えております。そして、事務所も今はTXTの世界を丁寧に作業して作りこんでいるので、今後の展開にも期待大という感じです。

 

しかし実際は、TXT自体が「BTSの弟」「ピュアでシャイなイケメン5人組」みたいな部分しか見えてこない取り上げられ方をするので、よく覗けば面白いものがあるんですけど、通りがかりの人には”あ、よくあるやつね ” みたいに素通りされて食いつきづらい感じ、入り口の狭さみたいなものは感じます。TXTの世界観を知って、5人の様子を知った上でステージを見るともうブサブサいろいろと刺さってくると思うのですが。

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こういう感じで来られても、多くの人は正直どうも思わないはず(?)

さいごに

筆者の気になる韓国アイドルリストに見事に載ってきました、カンテヒョン。 (ちなみに不動の一位はチョンロ大先生)長々書きすぎましたが、カンテヒョン はかなりのレアキャラだと思われます。そして最初は顔だけかよと思っていたTXTですが、見れば見るほど絶妙な5人を選んだなと思います。いろんな面でバランスが良いです。今のところ、お互いの魅力を最大限に引き立てあっています。 そしてやはり事務所が奥まで思考を凝らして入念に準備しているというのはBigHitだな〜という感じです。あのストーリーからどうなっていくのかまだ誰もわからないところがワクワクします。正直TXTが他のグループのように単発で曲を出しているだけだったら、カンテヒョン先生がいたとしてもここまで引きずりこまれらなったかもしれません。

 

TXTは思ったよりまだ熱狂的なファンが少なめ、音楽番組での成績もこれからといった印象はありますが、デビュー後いきなり売れたものの実は内容が乏しく徐々に飽きられて降下していくより、今ある方向性と丁寧さでカムバック毎にじわじわと上がっていく方が、メンバーの姿勢や長い目でみた人気/持続性の観点では良さそうなのでTXTはこれでよいのだと思います。まだファンダムも穏やかそうですし...。

 

久々に今後に期待ができる面白いグループが出てきたなと。「BTSの弟分」というレッテルがしばらくつきまとうにしても、Big Hitが2022年までにボーイグループを2組デビューさせるそうなので、BTSのすぐ下の弟、BigHitプロデュース男子グループ2組目という立ち位置、2組しかいないという今の状況は実は美味しいのではないかなと思っています。

 

(余談ですが、ENHYPENを見るともはや「BigHit = 防弾少年団」ではないのだなとひしひし感じます。アジアの枠を超え、BTS が持つ世界へ影響力は間違いなくKpop史上最大であり、韓国の国威掲揚への貢献は計り知れません。所属グループ1組という会社から二人三脚でここまで成長したのですから、「BigHit = 防弾少年団」で間違いないのですが、TXT、ENHYPENと若い少年たちの勢力拡大によって、世界相手に良い音楽を届けるという壮大なビジネスとその責任を背負っているBTSのピリピリ感がなんとなく薄れていく印象があります。今後新たに若いショタショタしたグループが出てくるたびにさらに薄まっていくのだろうなあと。)

 

若干話題がそれましたが、筆者としてはTXTのストーリーの展開、メンバー5人の表現者としての変化、チームとしての成熟など、いろんな面での5人の成長を今後も静かに見守っていきたいと思います。カンテヒョンに関しては、アイドルカンテ、表現者カンテとしての成長も気になるところですが、彼の今後の発言や人間カンテの変化にも注目です。

番外編

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ちなみに、TXTカンテヒョン とNCTの末っ子で才能光らせまくりのパクチソン君は全く同じ生年月日で2002年2月5日生まれです。NCT DREAMウォッチャーで、ホバボード乗ってche-che che-che chewing gumしてたのは2年程前だと錯覚している筆者にとっては、もうチソンは中学生じゃないんだと目覚めさせてくれるかなり衝撃的な事実なのです。経歴も性格も全く違うタイプの二人ですが、同級生か〜タメ口か〜と思うと不思議というかもう感慨深いです。いとをかし。

 

思えば NCT DREAM もTXTもメンバーは1999年〜2002年生まれで構成されていて完全に同世代なんですよね。TXTは2年目でまだまだ新人駆け出しという認識ですが、かたやドリームは2016年8月にデビューしたので今年5年目、実はBLACKPINKと同期というびっくりな彼らなんですよね。ドリームは中学生の頃(数名は子役時代から)露出あるので尋常じゃない芸歴です。でも同い年なんですよ。同じ学校にいたらクラスメイトですよ。TXTとNCT DREAMの世界は完全別物として認識していたのでね。

 

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これまた2020年1月のソウル歌謡大賞でNCT DREAMの舞台を見つめるTXTの動画を見てしまいまして、彼らにとってチソン君は先輩アイドルか〜やっぱり舞台の表現がもう次のレベルにいってるもんな〜そりゃカンテヒョンが練習生1年目の頃にはチソンくんデビューして活動してたもんな〜と思いながら、感慨に浸ってました。

 

NCT DREAMとTXT。それぞれのチームの魅力もアプローチも境遇も異なる2チームですが、ここが音楽で真正面からぶつかる関係になればこんなに面白いことありません。SMがつくる7人組NCT DREAMとBigHit が作る5人組TXTが大賞を取り合う相手にまでもし成長したら、感慨無量すぎますし、私のKpopオタクシーンに幕を下ろせると思います。とはいえ、NCT DREAMは現在解体の危機を迎えている上、NCTがまだ懲りずに拡張・再編成しようとしているのでね。なんとか固定で向こう5年をDREAM一本で本気でやっていくような方向にならないかと。TXTは今後順調に成長するでしょうに。(ならないか、、SMよ、、、こんなバランスのいい子たちは滅多に誕生させられんよ、奇跡やで。127より未来あるよ。)

 

いつかこの2チームの白熱した対決が見られる日が訪れますように。

【NCT DREAM】これほど特殊で笑えるアイドルいません、チョンロ大先生

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8年ほど前に筆者がKpopにどハマりした頃と今ではケーポップインダストリーも流石に変わりました。当時は純粋に韓国のアイドルたちの世界を楽しんでいたのですが、ここ数年はもっぱら斜めから眺めている筆者であります。時に物足りなさや疑問を覚えてしまう、そんな今日の韓国アイドル業界ですが、いろんな意味で笑えて楽しいアイドルが何人かいるのでシリーズ的に書き残していきたいと思います。

今回は第一弾ということで、気になるアイドルリスト不動の1位であるNCT DREAM チョンロについて書いていきます。これほどまでに特殊っぷりを発揮しているアイドルはいませんし、こんなに大爆笑できるアイドルなかなかいません。チョンロ大先生です。彼自身の溢れ出る魅力はもちろんですが、そんな彼がNCT DREAMのチームの雰囲気にもたらす影響がすごかったんですよね。

規格外、特殊っぷりはナンバーワン

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ここ4年で目覚ましい成長を遂げたので、いつのチョンロを載せればいいかよく分かりません。

基本情報

  • チョン・チョンロ(钟辰乐)
  • 2001年11月22日生まれ(チソンとともに末っ子ライン)
  • 中国・上海出身
  • 経歴:幼い頃は中国で歌の神童として歌手活動。ソロコンサート開催済み。実家が桁違いのお金持ちで有名。

あげればきりがないほど、笑えます彼。長くなりそうですがデビュー時から時系列で書いていきます。

この子誰?ざわついたデビュー当時

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前列、左から2番目の上海育ちの坊ちゃん

NCT DREAMはSM Rookiesとしてすでに公開されていた5人(マーク・へチャン・ジェミン・ジェノ・チソン)に中国出身のロンジュンとチョンロの2人が加わり、7人組として2016年8月にChewing Gumでデビューしました。

こっそりガム食べて先生に怒られる坊やたち的なミュージックビデオで全員短パン!! 膝小僧!!という感じで、ついにSMもショタ全開で売ってきたやら、まあ色々言われながらデビューしたDREAMであります。

 

当然、情報の少ないロンジュンとチョンロがこの子だれ?状態になるわけで、ロンジュンに関しては結局、「中国吉林省出身で朝鮮族だから韓国語が話せる」ぐらいしか情報が出てこなかったのですが、チョンロ大先生はもう中国天才キッズシンガー時代の動画やら実家がえげつない金持ちだという噂やら、富と貫禄を漂わせまくり幼少期の写真やらがざっくざっく出てきて、しかも韓国語も挨拶程度にしか喋れなかったので本当に君、何者?という感じでした。

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思えばよう目をかっぴらいてたなチョンロパイセン。そしてSMに消されたロンジュンの八重歯。

異質感マックスだった初期の大先生

2016年3月にSMエンターテイメントに入社、6月にMV撮影、8月にMV公開と韓国に入国してからたった5ヶ月で爆速デビューを果たしたチョンロであります。

(のちに本人が、SMから母親にキャスティングの電話があり、結局契約することになったという話をしていましたが、なぜにこれほどギリギリに合流しデビューまですることになったのか事務所側の事情が気になります。チョンロさん全くK-popに興味なかったですよね?)

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SMRookiesー弟組5人時代

まあChewing Gumから2枚目のMy First and Lastぐらいまでですかね、初期のチョンロ大先生けっこう浮いてました。

急には馴染めないというのも当然といえば当然な話で、なにせSMがアギ神起(赤ちゃん東方神起)として手塩をかけて育て、2015年にはSMTOWNのオープニングアクトを務めさせ、韓国のディズニーチャンネルにまで出演させたこの出来上がっている5人組に最後の最後に合流してきたので、Vliveで彼らの様子を見ていても、なにこいつ?と思っていそうな感じがどことなく漂っていた気がします。

チョンロさんはこの幼馴染5人がデビューするぞという時に現れた、ついこの間やってきた全く韓国語の話せない謎の中国人ですからね。デビュー当時は彼ら自身もとりあえずこの7人でやるっぽいという感じだったんじゃないかなーと勝手に推測します。

 

でもさすがチョンロが大先生たる理由ですわ。韓国語話せないなんて全く関係なし、物怖じせず周りが若干引くぐらいグイグイ画面の前方に出てくるわ、vlive生放送の企画の途中にトイレ行っちゃうわ、ザクザク出てくる爆笑過去エピソードなど含めて規格外でしたね。あと韓国語が全く話せなかったので、とりあえず事あるごとにoh my god!と叫んでましたね、しつこいくらいに。当時それしか使える感嘆詞がなかったんでね。

韓国の芸能界/事務所のルールを心得ている子供だけど大人な5人にとってはあの図太さ(度胸)とマイペースっぷりは理解しがたい部分もあったのではないでしょうか笑。

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いろいろとぶっ飛んでいて只者でないチョンロですが、どこか憎めない感じで、2,3 曲目あたりから、だんだんと"ああチョンロはチョンロとして受け入れないといけないな"という雰囲気になっていったように感じました。

まあ甲高い声でキーキーピーピーあっはっは笑ってましたわ大先生。韓国語を話せなかったのにも関わらず、初期から完全に彼がドリームのバラエティー的面白さを引っ張っていましたしね。他のメンバーがまだおとなしめに出方を伺っていたひよっ子時代にも、彼だけは通常運転してました。チョンロがいて助かったバラエティーシーンがいくつあったか…。

 

チョンロの面白さはいつでも、「やばい笑うさすがチョンロ天才こりゃ大物だわ」でありまして、この感じわりますかね?いや〜最高です。どの国に行っても自分らしくやっていける子だと思います。

とにかくポテンシャルが半端ない、あっという間に爆イケに

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 もうみんなびっくり、あっという間に(爆)イケに成長しました。顔つきも青年へと本当に絶妙にいい感じに変わり、身長もぐんぐん伸びてもうなんというかすごいなチョンロという感じです。ビジュアル面だけではなくダンスも韓国語もめきめき成長し、いつの間にそこまでできるようになったん?としっかり笑わせてくれます。We Young(2017)→ Go(2018)→ Boom (2019)の順でチッケムを見ていくとなんと形容すればいいのやらもうとりあえず、チョンロよぉぉぉーーという感じでしかないです彼。デビュー当時からただならぬポテンシャルと天が味方している感といいますか、強運の持ち主感がすごかったのですが、表には出していないだけでしっかり練習したのでしょう。生まれ持ったセンスと運だけではこうはならないはずです。

 

チョンロ大先生はカムバックするたびに期待を裏切らないというか、もういろいろな感情を飛びこえて笑えてくるんですよね。こんな爆笑できるアイドルそうはいないでしょう。チョンロに目をつけてしっかりと韓国に引っ張ってきたSMのスカウトマンにどでかい賞を差し上げたいです。まあなぜこんなにも全てが上手く成長したのでしょうか。不思議ですよね。あのチソンくんとベストフレンドになったのも大きいのでしょうか。

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ずっと同じグループでいてほしいよ。この2人は。

素晴らしいステージ感覚、NCT DREAMへの影響

身の上話からチョンロ先生のステージ事情に話を進めますと、やはり爆速デビューを果たした当時から先生はセンスがあって本当に笑えます。最初の2-3年はカムバックの度にめきめき上達していくのが顕著で、”え、またチョンロ成長してるやん”としっかり楽しませてくれました。同じNCT DREAMのチソンくんはこのポイント置き・出力調整の達人だと思っているので、やはりここでもベストフレンドからの影響が大きいのでしょうか。チョンロに限らずNCT DREAMはグループ全体としても、常にステージ上の表現が適切な幅にはまっていると筆者は感じていて、やっぱドリームちゃんたちええよな〜上手やな〜と思っています。

 

NCT DREAM:1,2,3 (やはりチソン君はパフォーマンスの中核ですね)


Super Juniorカバー:みんな表現が上手だなーと。

兎にも角にも、チューインガム時代からSMで何年も練習を積んだ幼馴染5人組の中で遜色ないほど堂々として表情もよくやっていましたし、君は練習期間5ヶ月でなぜここまできるのかな?歌割りも結構いいところもらってるじゃないすか先生!と異常なポテンシャルを見せつけられて、その底知れなさに盛大に笑えたんですよ。

繰り返しますが、チョンロの面白さはいつだって「やばい笑うさすがチョンロ天才こりゃ大物だわ」であります。本当に不思議なのと特殊なのとで気になって仕方がありませんでしたね。

 

NCT DREAM:Chewing Gum(中国アクセントがまだ強く残っていたこの頃が懐かしい)


NCT DREAM - Chewing Gum [Music Bank / 2016.09.23]

 それと、チョンロ大先生はやはりあの歌声がいいですよね。高音でも澄んでいて伸びやかでサラサラボイスであります。音程にひねりのあるパートを任されがちで、少ない分量でもしっかりチョンロ色に染めきって印象を残してくるのもツボです。ハードな踊りの直後でもかなりの声量がマイクに入って音程も外しませんし、安定感があります。安心のチョンロです。小さい頃から歌手活動しているのでさすがに上手です。

後から合流したあの中国人2人が共にDREAMの歌を引っ張っているあの感じも良いですよね。あの幼馴染5人だけだと立派なボーカルはへチャン1人なのでね。ロンジュンもチョンロも常に安定していて感心しっぱなしです。そしてどうでもいいですが、GO の“くげにそんてぎみょ〜ん きょるぐぁ〜どに-が  ちぇ-ぎむじょやじ”の部分(伝わります?)、あそこのチョンロの表情と歌声は本当に素晴らしくてお気に入りです。

  

そして、チョンロとロンジュンが幼馴染5人組に加わったことはグループの持つ雰囲気にも多大な影響があったと思われます。というのも、2001 年生まれのチョンロ先生加入で圧倒的に「年下組優勢」の雰囲気が醸成されたのではないかなと。

 

NCT 127のステージの必死さ責任を背負った雰囲気に対して、ドリームはなんというか肩の力が抜けていて楽しく活動している印象がありますが、筆者はやはり『圧倒的なダンスの実力と舞台センスを持つチソン』と『常にニコニコわっはっは穏やかさんで余裕のあるチョンロ』の存在が非常に大きいと思います。弟組と127兄さんたちとは置かれている状況が違うのもあると思いますが、この2人がいるとドリームの優しい和やかな雰囲気が加速する感じです。そしてニコイチ感の強いジェノジェミンだけでは甘すぎて胸焼けしてしまいそうなところにロンジュン僧侶がいると、絶妙な感じでスカッとさせてくれるのでこちらの加入も本当に素晴らしいです。彼はわかりやすく目立っていないですが間違いなく宝です。

結局何がいいたいかというと、今振り返ればこのチョンロとロンジュンの加入はとんでもない大型補強だったということです。

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ザ・ドリームな一枚

さいごに

身の上がこんなに特殊なアイドルいません。そして期待を裏切りません。ひよっこ新人アイドルであり、当時16,7歳の高校生がアップルウォッチを見につけ、メンバー誕生日にはそのアップルウォッチをプレゼントと配りまわり、想像を優に超える特殊っぷりを発揮。チョンロ先生はいつだって期待を裏切りません。あの実家の車も、NCTメンバーと宿所生活せず韓国に家を買ってお母さんと一緒に暮らしているのも非常にチョンロらしいです。

 

中国育ちのアイデンティティを消すこともなく常に穏やかにマイペース。変にKPOP界に染まらず、チョンロはチョンロなままでいるのがやっぱりさすがなんですよね。大物です。そんな彼の最愛のアイドルがNCT 127だというのがまた笑えますし、初期の頃から日本のステージのMCでの「こんにちはーチョンロでーす」がめちゃめちゃネイティブなのも爆笑でした。もう彼から出てくる全てが気持ちよく笑えます。(彼の特殊っぷりに多いに笑わしてもらっている一方で、おそらくドリームの中で一番の常識人はチョンロだと思います。アイドルでなくても普通に難なく社会生活できるのでは。)

 

書き出したらかなりの長さになってしまいましたが、これからもチョンロが健やかに楽しく活動を続けてくれることを願っています。では。

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以前、BTSジミン先輩ってチョンロに似てない?と思っていたことがありました。今は筆者も全く共通点を見いだせないという。

 

【NiziU】韓国ナイズ危険性、塩梅は彼女たちのセンス次第

今回はNiziUの今後について。タイトルの通り、全員日本人グループを韓国の芸能事務所がプロデュースすることの危うさについて考えてみました。

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NiziUの今後:彼女たちの目指すところはどこなのか?

「NiziUはどこで活動するのか?何を目指すのか?」という疑問をよく見かけますが、筆者はJYPの出方を大人しく見守ろうと思っているところです。今日の東アジアにおけるKpopの注目度を踏まえると、JYPからデビューすればKpopウォッチャーたちが一度は様子を見にくるはずで、どこを拠点に活動しようが彼女たちがKpopなのかの議論が白熱しようが、無条件にある程度の注目獲得でき、出だしからそこそこは売れるはずです。

 

2019年2月の記者会見から現在に至るまでパクジニョン氏がぶれずに「日本を拠点に世界中で勝負できるグループを作る」と述べているわけで、このためのNizuU戦略は事務所が考えればよい話で、筆者としては出てきたものをしばらく経ってから考えてみようという心持ちでいます。今後の活動の展開に注目です。

 

韓国ナイズの塩梅の難しさ、行き過ぎの危険性

「どこで活動するのか?」という質問の次に、「全員日本人グループで日本語で曲を歌えばそれはJpopなのかKpopなのか」という議論もよく目にしますが、筆者としては「Kが作った曲をK風味のスタイリングで日本人が演じる」ぐらいで、曲がKpopかJpopかどっちかはっきりしろという二択は難しすぎるのではないでしょうか。その言葉の定義やNiziUがKpopか否かという分類に関する議論よりも、日本人と韓国アイドル文化のコラボの塩梅と行き過ぎの危険性、日韓の帰属感の置き所の難しさがオーディション初期から割と気になっているところであります。

 

NiziProjectで彼女たちが韓国語のJYPヒット曲を課題曲にすることは別になんとも思っていなかったのですが、韓国合宿の運動会(?)バラエティー回で虹っ娘たちがKpopのヒット曲を韓国語で口ずさみながらノリノリで椅子取りゲームをする姿をみて、”お、これは日韓のコラボの度合いでボタンをかけ間違えればグループが傾きかねないんでは?”と初めて危険な匂いがぷんぷんしてきました。

 

(※ Kpopの世界にも日本人メンバーはいます。SM所属のNCTユウタや同じJYP所属のTWICEミナ、サナ、モモは有名なところですが、彼らと虹っ娘たちはそもそもの生い立ちが異なると思うんですよね。同じ韓国アイドルの世界に足をつっこんだ日本人でも、彼らはK-Popアイドルになるために韓国に渡り、表現が悪いですが、一度"韓国人に生まれ変わった"日本出身のアイドルたちなんですよね。なので外国人メンバーとして韓国人たちとデビューし、韓国アイドルとしてそこに骨を埋める覚悟があるような人たちとNiziUのメンバーたちとは全く境遇が違うという前提で話を進めます。)

 

NiziUは「グループ全員が日本語を話す、程度の差こそあれ日本の文化の中で育ってきた9人」というのがチームの一つのアイデンティティであるので、あまりにも韓国のアイドル色に染められすぎる、もしくは彼女たちが韓国の文化的習慣(cultural practice)を取り入れて日本で披露すると反発や拒否感を覚えられかねないと思います。

 

この韓国ナイズの塩梅もいろんなところで調整できると考えるのですが、例えば音楽のサウンド、衣装やメイクや髪色などの見た目、話す言語、歌う言語、MVや舞台の演出、ステージを披露する場所、居住地、ファンの応援活動のスタイルなど。人によってこの塩梅の許容範囲、あれ?と思いはじめる程度が違うと思うんですが、筆者的過度な韓国ナイズ例はなんといっても最終ミッションでのリマちゃんのおでこであります。

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韓国のかのつるつる卵型の生え際一直線おでこにされていたので、筆者の感覚からだと"ああ、これは行き過ぎた韓国ナイズだあぁ"と思いました。(Be yourselfで自分らしくを押すなら、素材を大事にスタイリングしてくれようと正直思いますわ

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この他にもう一つ例をあげると、NiziUのメンバーが話す言語も気になるところではないでしょうか。日本の媒体でもオンニ、アンニョン、けんちゃな、ちゃれっそなど多少の韓国語は使ってもいいということにするのか、この辺も安全に日本語で言うのか。筆者としては、少なくとも「韓国語・韓国文化は彼女たちのものではなく後から習ったもの」という部分を抑え、日本の大衆向けコンテンツでそれを披露するリスクを彼女たちが踏まえた上での言動であれば好きにすればいいのではと思っているところです。

 

結局あれもこれもすべてJYPと虹っ娘自身の出力調整次第なんですよね。人によって許容範囲が違う中で、日本人×韓国アイドル文化のどこに適切な程度を見つけるかはJYPの、そして彼女たちのセンスが問われるところなんでしょう。NiziUは"帰属感"が1つの肝だと思います。難しいですよね。ましてや日韓の間で折り合いをつけるので、大きくミスをすると日韓両国の嫌韓嫌日感情から不必要な議論に巻き込まれたりする可能性もゼロではないと思います。筆者の考えすぎかもしれないですが、デビュー前のこの時点で感じた危うさを備忘録的に記しておきます。

 最後に

ここまでNizi ProjectやJYPに対して思うところをつらつら書いてきましたが、ひとまず事務所が出してくるものを静かに見つめつつ、数年後にまた考えてみようと思います。NiziUに関してはしばらく待ち時間という気持ちでいます。デビュー前に家族と自宅で一息つける時間が十分に与えられることを祈りながら。では。

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アカリちゃんが異常にステージ上手かったよなあ。

 

 

【NiziU】てれび戦士アプローチ!皆さん、JYPプロデュースはお好きです?

忘れもしない2020年6月26日。選ばれた9人のNiziUとしての新たな船出を祝福する気持ちより、3人落としたという事実に放心状態だった深夜2時、虹プロ最終回放送直後。

 

そんな余韻に浸る間も与えず出回ったこのアーティスト写真。レジェンダリー。それまでの感情全てを一瞬で見事なまでに吹き飛ばしてくれました。「は?え?あ?なにこれ?誰?え、餅ゴリこういうのかよ、」とまで思わせた思い出の1枚となっております。どんっ。

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素材殺しがすぎやしないか?何度見てもおかしくて笑えます。マヤちゃんとかこんなの着たくないって泣き叫んでもいいと思います。最低でも餅ゴリに私たちこれで本当にあってます?と聞いていてほしいです。

 

まあこの記事で筆者が何を言いたいのかと申しますと、この衣装といい、振り付け・ミュージックビデオといい、4曲のサウンドからあの歌詞まで、大衆人気を得るアプローチが完全にNHKの「てれび戦士」なんですよね。もしくはパプリカを歌うFoorin。子役たちがカラフルな衣装を着てテレビに出て歌って踊る姿。同世代のキッズたちが彼らに憧れて真似してしまうという例のやつです。子役たちもただの子供ではなくて一応プロフェッショナルの世界に身を置いているので、妙にしっかりしているんです。もうそれ完全に虹っ娘やーんと筆者は思います。

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Make you happy = パプリカ

虹っ娘 = てれび戦士

NHKのプロデューサー = 餅ゴリ

 

Kpopの世界ナメンナヨと言われそうなのでここら辺でやめておきます。

 

もともとJYPのスタイリングはダサいで有名なので覚悟はしていましたが、想像の斜め上を優に超えていきました。JYPの恐ろしさがこの写真に素晴らしほど詰まっていて、そこそこ笑えたのでまあ良かったです。もうこういうのは爆笑してあげるスタイルで筆者はいきます。まあてれび戦士のあのカラフルな衣装もNiziUのこの衣装も勝負服、もしくは正装ということにしておきましょう。

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スタイリングのダサさはもはやJYPのお家芸なのでね。

そしてスタイリングだけでなく、NiziUの楽曲や振り付けもしっかり今のJYPプロデュース品の特徴が現れているなと。例えば、ここ数年のJYP特有の楽曲構成について。

 

TWICEやITZYのアルバムを聴いていると、「サビを含め一曲を通して個人に歌割りする傾向」が強い気がしています。NiziUのプレデビューの曲たちもまあ同じですね。一方で、例えば他社の9人組である少女時代はソロパートを駆使しつつ、サビはユニゾンで入り、後半はボーカル担当メンバーがフェイクを入れるなりハモるなり層を重ねていくのを基本構成にしています。受け手の好みしだいなのですが、後者のほうが「グループ全員で歌い上げている感」が強く出て筆者の好みであります。同じくメンバー5人で一曲を分けあうITZYとRed Velvetを聞き比べても同じことが言えるかと思います。必ずしも層を重ねる必要はないと思うのですが、頑なに個人パートで構成するので、楽曲作りの上でのJYPのこだわりなのか癖なんでしょうね。

 

 結局、歌割りの中でユニゾンやハモり、フェイクの部分がほとんど出てこないJYPなので、スッキリのインタビューでのパクジニョン氏の「とにかく目立つ9人を選んでNiziUを作った(意訳)」という発言はここら辺のJYPの特徴と繋がってまあ納得ではあります。NiziUもみんなで一曲を歌い上げるというよりは、各々きっちり分けられた歌パート、画面に映る時間で輝いてくれ(ある意味"個人プレー")という感じなのでは?と考えます。

 

 スタイリングや楽曲だけではなく、他にもJYPの感性と自分の趣味嗜好や韓国アイドルの楽しみ方とが合わないと自覚しているのですが(もう言い切ります)、NiziUに関しては素晴らしい子達を獲得したのだから事務所はプロデュース頑張ってくれようと思います(何様)。筆者はJYPは現在絶賛迷中だと思っているので、ちょいと頭使ってNiziUを上手に面白くプロデュース、プロモートしてあげるんだよぅJYPと思ってます(何様2)。

 

とりあえず筆者は虹っ娘たちに感情移入しすぎず、餅ゴリが出してきたものをみて笑うぐらいでちょうど良く楽しめたらいいなと思っているところです。

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Eテレプロデューサーとてれび戦士たち

 

【Nizi Project】J.Y.Parkさんのしたたかな日本戦略、虹プロの筆者的ツッコミどころ

Nizi Project 最終話放送から3ヶ月が経ち、どハマりしたオーディション時代を忘れないため感想を記事に書き残しておくことにしました。オーディション番組は数少ない映像を見ながらその子のキャラクターとデビュー後の姿を想像し、どのメンバーを選べば面白いグループになるだろうと考察することが最高に面白いんですよね。

 

そもそもNizi Project はJYPが5年以上前から存在し、途中頓挫しながらも長い間タイミングを見計らっていた日本人グループ企画であって、今回見事に大当たりしそうなところを目の当たりにして、餅ゴリ冴えてんな〜と思います。

 

一方で、韓国合宿後半8話にさしかかった頃から、番組の作りに丁寧さを欠くような、なにかとツッコミどころ満載だったので今回はそのいくつか書いていこうと思います。基本的に視聴者からつっこまれないオーディション番組はないので、笑い飛ばしてあげるスタイルで筆者はいきます。

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  筆者的ツッコミどころ

【1】キューブ使用でより際立つ、実は曖昧な評価

まず第一に、オーディション後半にかけての評価がまあまあ曖昧だったと思います。そしてその曖昧さはキューブというシステムが引き立てたものではないかなと考えました。というのも、キューブを埋めるという仕組みを用いると、評価基準を言い切る必要がうまれます。もし、そことパクジニョン氏の判断とに矛盾が生じるような場合に疑問を、持たれてしまうのは仕組み上仕方のないことだと考えます。また同じ基準が適応されているはずなのに公平に評価されていない(ように思える)子がいるのも同様で、キューブを用いて「僕は今回ここを重点的に見ます」と言っているわりには…ということがより際立って見えてくるのだと考えます。

 

オーディション番組でプロデューサーがある特定の参加者に対して評価コメントが雑、もしくは一言もない(放送されない)ということは珍しくないのですが、キューブを用いて厳格な評価基準を示してしまっているところに分母13人に対してそれぞれ適切な言及がなされないと、あれ?JYParkさんに刺さっていない子は眼中に入れてなさすぎでは?彼に何かしら刺さっている部分がないと始まらないのか?という感じで評価の曖昧さが余計気になってしまうんだと思います。(筆者的にはリリアちゃんがパークさんに深く刺さっていない子だという認識だったのですが、ステージのたびに「可能性がより見えた舞台」とひたすら「可能性」という言葉でさっと片付けられていた印象でした。)

 

キューブを用いず、ステージの度に点数や個人順位を発表するだけの場合には、”ああプロデューサーのお気に召していないのだな”で終わるところが、キューブシステムでは、”同じ基準が適応されているはずなのに….”となり、過小評価、過大評価というのがより気になってしまうといったところでしょうか。どうでしょう?

 

やはり評価基準を口では言ってはいても機械のように完全な採点方式ではなく、プロデューサーの感覚的な判断と既に用意しているデビューグループのコンセプトとの相性を見ている部分があるはずなので、パクジニョン氏の実際の言葉や判断とに矛盾する部分が多少あったり、眼中にない子が過小評価されてしまうのはまあ、仕方ないですね。キューブを使って評価基準を言い切ってしまっていたのでより粗が目立ったということで。ここは視聴者が広い心でわかってあげないといけない部分なんでしょうね。

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【2】謎の虹かけランキング、最終回前の盛大なネタバレ

筆者的2つ目のツッコミポイントは虹かけランキングであります。あれは一体なんだったんだという疑問に対して、TWICEが誕生したSIXTEEN時のパクジニョン氏の発言から想像するに、視聴者の意見、要するに誰が人気があるのかを参考にしていたのでしょう。

今回のNizi Projectでは、韓国合宿途中に突如始まり、ミッション3で全てのチームが舞台を披露し終える前に投票期間の終了を迎えました。正直意味のわからないタイミングで開催され、新たに視聴者の関心を引いた子が順位に反映される前に投票期間が終わっていたのも事実で、公平性の観点から、またオタクのためにも運営サイドがもう少し頑張ってあげてようと側から見て思いましたが。(結局虹かけランキングに関して本編で言及されることは一度もなく、存在自体が消し去られていました。どうせ言及しないならば、全チーム披露し終えるまで待ってもよかったのでは?)

 

運営の雑さ関連で話を進めると、ファイナルステージを目前にしたビハインド映像公開も代表的だと思います。これまた全く意味のわからないタイミングで宿舎でのお遊び動画を投稿アップロード。もう片側の宿所に住む子たちの映像は結局公開しないなど、オタクたちの心を理解していないプロモーションがあったのは否定できないでしょう。本編のインタビューやSNS投稿の露出に偏りが顕著になっていくことは致し方ない気もしますが、候補生の様子がわかる数少ないビハインド映像公開だったので、これまた条件の公平性の観点からどうなのかと。(公にはメンバーが視聴者投票で決まったわけではないという体なので、もう少し運営が考えてあげてもよかったのでは?)

 

それ以外にも、NiziUというグループ名が商標登録で公式発表前に出回ったり(韓国グループではよく起こるものの)、6月頭にデビューメンバー9人とマネージャーさんとの10人で街を歩いているところを盗撮されたりと、最終回メンバー決定前にかなりネタバレしていた印象でした。

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【3】完全にデビューグループの様子見、最終ミッション

続いてのツッコミどころは、最終ミッションのチーム分けであります。

 ガールズグループとして絶妙なバランスを見ました 勝村摩耶チーム" VS 個性的な子達集めました 山口真子チーム"ってどんな分け方だよ!とつっこまずにはいられなかったですね笑。結果的にマヤチーム6人に、パクジニョン氏に終始刺さりっぱなしだったマコ・アヤカ・リオの3人を足した9人でNiziUになるもんだから、結局 "ガールズグループとして絶妙なバランス"の6人で新グループの様子見してたんやろと言いたいところですが、まあ事務所の自主制作オーディション番組なんてそんなもんというところで納得しましょう。

 

そして、パーク氏の『既にキューブを3つ集めている人が多いマヤチームが上手いのは当然です。僕がチームとして上手だったと言ったことが決してそのまま評価に繋がるとは限りません。』発言の直後、2PMウヨンとTWICEモモを含めた3人での多数決にて、マヤチーム勝利が決定。

結局、ぱっと見のマヤチームじゃねーかとこれまた突っ込まずにはいられず、大爆笑でした。ここでの勝敗はデビューメンバー決定に直接的に影響しなかったので、広い心で受け止めましょう。そして笑い飛ばしてあげましょう。

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【4】放送向きに作ってみたキューブシステム

最後に、キューブのシステムは一体何だったのか考えてみたいと思います。

JYPの求める技術レベルを満たしているか、JYP的 “いい人”であるかの一つの指標として、またNizi Project=キューブという印象を多くの人に植えつけたようにストーリーのアクセントとして機能したので総合的に見て成功だったと言えると思います。「キューブを全て集めた人がデビューできる」という文言もセールスコピー的な感じで事務所によるデビューメンバー選出の過程をテレビ放送向きに上手にストーリー仕立てにし、わかりやすくしたのだと思います。

 

前で述べたように、キューブシステムを導入し判断基準をある程度明確に示さざるを得なくなると、実際の言動とに矛盾が生じた際につっこまれるというデメリットもあったと思いますが、なにせ番組のアクセントとして成功した部分が多いのでね。(キューブネタがここまでお茶の間に浸透するとは。)

 

そして、結果的に全てのマスを埋めきったのは4人。全て集められなかったもののデビューができた子が5人と、結局のところメンバー決定はパクジニョン氏の裁量次第でどうにでもなるという余白を残していたJYPはとても頭がいいということにしておきましょう。

 

外部の声を全く反映させることのなかった今回のNizi Projectオーディションは”内部審査会の様子の一部公開”と捉えた方がいいのでしょう。若い子達がそれぞれに努力し成長する過程をみせ、顔と名前を売って、情を深めさせ、デビュー後に繋げる。ある程度視聴者が納得できる基準を説明するため、簡単に理解できるよう放送用にキューブを作った。こんなところでしょう。

やはりオーディション番組を見るときは、

「視聴者はあまり熱くなりすぎないことが一番」

これに尽きるなと思います。視聴者につっこまれない完璧なオーディション番組なんてないんですから。本当に絶妙にいい感じを演出しながらうまくビジネスしてますわJYP。さすがしたたかな商人。

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しかしここまでNizi Projectが広く認知されたのはJ.Y.Park主催だったのが大きいのでしょう。地上波放送とコロナで自宅待機していた視聴者の効果も大きかろうが、餅ゴリロス、JYパーク名言集ができちゃうぐらいなので彼の哲学が視聴者の心にさぞかし刺さったのでしょう、、、。

【余談】日本向けの戦術か?ー技術よりも精神面、より穏やかに

今回のNiziProjectでパクジニョン氏は、プロの歌手・アーティスト養成するプロデューサーという面だけでなく、人間としての成長を期待する良きリーダーという部分がよく演出されていたと筆者は思います。真実・誠実・謙虚のスローガンのもと所属アーティストには人格重視の姿勢をみせ、「Be yourself. あなたはあなたのままで十分に特別」というのを全面に打ち出してきていたので、多くの初見の視聴者は感銘を受けたんではないでしょうか。

 

こういった部分が特に日本人の感性・趣向に合っていたのでしょうか。韓国でのJYP主催のオーディション番組でもこの辺の方針は変わっておらず、実際に言葉で参加者たちにも伝えていたのですが、いち視聴者の体感として今回のNizi Projectではパクジニョン氏の言葉が印象に残るよう、よくフィーチャーしていたように思います。日本のテレビという場所に合わせて、技術的な部分よりもこのような精神的な面を全面に押し出す戦術だったのでしょうか...?

やはり戦術ですなんですかね。

番組自体に韓国オーディション番組によくあるサバイバル感は薄めでした。TWICEを生んだオーディション番組SIXTEENでは参加者をメジャー組とマイナー組に分け、宿所の豪華さや送迎の有無、練習室を使える時間帯まで、いたるところの待遇に差をつけ、マイナー組の子がメジャー組の子達を引きずりおろす的なこともしてましたよね。懐かしい。

一方、日本のテレビで大衆向けに「奪い合い」的な演出は合わないですからね。みんなで協力してなんぼです。キューブを集めるなんて優しい世界です。技術面で伸びなきゃいけない子が大半だったのでみんなで頑張ろうという感じもあったのでしょうか?

 

最後におまけとして(?)、SIXTEENの時と今回のNizi Projectでは参加者のパフォーマンスを見る目つきと表情が違ってたことも一応記しておきます。2015年のSIXTEEN時は険しい表情で参加者の実力を冷静に見定めているような印象だったのですが、Nizi Projectでは朗らかな印象をうけました。

ミイヒやアヤカのパフォーマンスを見るたびにデレデレ、ニタニタ、時にゲッコゲコ笑っていたので、単にここ5年で餅ゴリが丸くなって優しくなったのか、彼を満足させられるような練習生が多かったのか、これも日本用の戦略なのか。真実やいかに。

虹プロvs SIXTEEN 表情比較

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