とうもろこし畑からの眺め

エスパ作品は平野レミ、NiziUはてれび戦士

【NiziU】韓国ナイズ危険性、塩梅は彼女たちのセンス次第

今回はNiziUの今後について。タイトルの通り、全員日本人グループを韓国の芸能事務所がプロデュースすることの危うさについて考えてみました。

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NiziUの今後:彼女たちの目指すところはどこなのか?

「NiziUはどこで活動するのか?何を目指すのか?」という疑問をよく見かけますが、筆者はJYPの出方を大人しく見守ろうと思っているところです。今日の東アジアにおけるKpopの注目度を踏まえると、JYPからデビューすればKpopウォッチャーたちが一度は様子を見にくるはずで、どこを拠点に活動しようが彼女たちがKpopなのかの議論が白熱しようが、無条件にある程度の注目獲得でき、出だしからそこそこは売れるはずです。

 

2019年2月の記者会見から現在に至るまでパクジニョン氏がぶれずに「日本を拠点に世界中で勝負できるグループを作る」と述べているわけで、このためのNizuU戦略は事務所が考えればよい話で、筆者としては出てきたものをしばらく経ってから考えてみようという心持ちでいます。今後の活動の展開に注目です。

 

韓国ナイズの塩梅の難しさ、行き過ぎの危険性

「どこで活動するのか?」という質問の次に、「全員日本人グループで日本語で曲を歌えばそれはJpopなのかKpopなのか」という議論もよく目にしますが、筆者としては「Kが作った曲をK風味のスタイリングで日本人が演じる」ぐらいで、曲がKpopかJpopかどっちかはっきりしろという二択は難しすぎるのではないでしょうか。その言葉の定義やNiziUがKpopか否かという分類に関する議論よりも、日本人と韓国アイドル文化のコラボの塩梅と行き過ぎの危険性、日韓の帰属感の置き所の難しさがオーディション初期から割と気になっているところであります。

 

NiziProjectで彼女たちが韓国語のJYPヒット曲を課題曲にすることは別になんとも思っていなかったのですが、韓国合宿の運動会(?)バラエティー回で虹っ娘たちがKpopのヒット曲を韓国語で口ずさみながらノリノリで椅子取りゲームをする姿をみて、”お、これは日韓のコラボの度合いでボタンをかけ間違えればグループが傾きかねないんでは?”と初めて危険な匂いがぷんぷんしてきました。

 

(※ Kpopの世界にも日本人メンバーはいます。SM所属のNCTユウタや同じJYP所属のTWICEミナ、サナ、モモは有名なところですが、彼らと虹っ娘たちはそもそもの生い立ちが異なると思うんですよね。同じ韓国アイドルの世界に足をつっこんだ日本人でも、彼らはK-Popアイドルになるために韓国に渡り、表現が悪いですが、一度"韓国人に生まれ変わった"日本出身のアイドルたちなんですよね。なので外国人メンバーとして韓国人たちとデビューし、韓国アイドルとしてそこに骨を埋める覚悟があるような人たちとNiziUのメンバーたちとは全く境遇が違うという前提で話を進めます。)

 

NiziUは「グループ全員が日本語を話す、程度の差こそあれ日本の文化の中で育ってきた9人」というのがチームの一つのアイデンティティであるので、あまりにも韓国のアイドル色に染められすぎる、もしくは彼女たちが韓国の文化的習慣(cultural practice)を取り入れて日本で披露すると反発や拒否感を覚えられかねないと思います。

 

この韓国ナイズの塩梅もいろんなところで調整できると考えるのですが、例えば音楽のサウンド、衣装やメイクや髪色などの見た目、話す言語、歌う言語、MVや舞台の演出、ステージを披露する場所、居住地、ファンの応援活動のスタイルなど。人によってこの塩梅の許容範囲、あれ?と思いはじめる程度が違うと思うんですが、筆者的過度な韓国ナイズ例はなんといっても最終ミッションでのリマちゃんのおでこであります。

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韓国のかのつるつる卵型の生え際一直線おでこにされていたので、筆者の感覚からだと"ああ、これは行き過ぎた韓国ナイズだあぁ"と思いました。(Be yourselfで自分らしくを押すなら、素材を大事にスタイリングしてくれようと正直思いますわ

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この他にもう一つ例をあげると、NiziUのメンバーが話す言語も気になるところではないでしょうか。日本の媒体でもオンニ、アンニョン、けんちゃな、ちゃれっそなど多少の韓国語は使ってもいいということにするのか、この辺も安全に日本語で言うのか。筆者としては、少なくとも「韓国語・韓国文化は彼女たちのものではなく後から習ったもの」という部分を抑え、日本の大衆向けコンテンツでそれを披露するリスクを彼女たちが踏まえた上での言動であれば好きにすればいいのではと思っているところです。

 

結局あれもこれもすべてJYPと虹っ娘自身の出力調整次第なんですよね。人によって許容範囲が違う中で、日本人×韓国アイドル文化のどこに適切な程度を見つけるかはJYPの、そして彼女たちのセンスが問われるところなんでしょう。NiziUは"帰属感"が1つの肝だと思います。難しいですよね。ましてや日韓の間で折り合いをつけるので、大きくミスをすると日韓両国の嫌韓嫌日感情から不必要な議論に巻き込まれたりする可能性もゼロではないと思います。筆者の考えすぎかもしれないですが、デビュー前のこの時点で感じた危うさを備忘録的に記しておきます。

 最後に

ここまでNizi ProjectやJYPに対して思うところをつらつら書いてきましたが、ひとまず事務所が出してくるものを静かに見つめつつ、数年後にまた考えてみようと思います。NiziUに関してはしばらく待ち時間という気持ちでいます。デビュー前に家族と自宅で一息つける時間が十分に与えられることを祈りながら。では。

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アカリちゃんが異常にステージ上手かったよなあ。