【aespa】秀逸なキャスティング、メタバース世界観に負けない凛としたギャルたちに笑いがとまらない
aespaについて記事にするにしてももう少し活動を見守ってからと考えていたのですが、つい先日スマンショーとやらを観まして我慢ができなくなったので、デビューから1年未満、持ち歌3曲と時期尚早ではありますが、思っていることを書き出していきます。めちゃめちゃ笑えて眺め甲斐のあるaespaについて筆者的ジワり項目を今回いつくか書いていきます。
SMの自分勝手ぶりに笑える
イスマンが「うちの会社は常に未来を予想し準備し、開拓してきた。」と言うように、aespaにおいても将来への展望があって私たちは先手を打つというSMの変わらぬ基本姿勢が貫かれているのは誰の目にも明らかだと思うんですよね。そしてエスパのこの過去一二を争う無茶苦茶な設定に対して、普通にアイドル作れやと強い抵抗感を示したくなるのも理解できる一方、筆者的ツボはまさにこの「みなさん、私たちこれやるので理解と応援よろしく」と要求してくるSMの自己中っぷりなんですよね。作ってみたぶつをひとまず歩み寄りなしでぶつけてくる点はNCTもそうだったような。
私たちを好きになってほしい!が他のアイドル同様最終的にあるはずなのに、コンセプトも曲もわざと単純明快な方法で提供してこないのがドM心を刺激するといいますか…。 “あえて正攻法で攻めてこないSM”と考えながらこのNext Levelの動画を見たら、その矛盾というか遠回り?ゴールとやり方のちぐはぐに本当に一回笑いが止まらなくなったことがありまして。自分でもこの笑いが何なのか分からないけれど、リアルに笑いが止まらないという感じで、エスパのおかげで人生で初めての感情に出会うことができたと思います。
ちなみにこれが例のどうしようもなく笑いが止まらなかった動画(新人グループのカムバ曲で大真面目に何言ってんだ。)
世界観に負けないメンバー、ようこの子ら選んだなと笑えてくる
エスパの世界観としてaeの生成がなんだ、Black Mambaが自身のアバターのとシンクを邪魔してくる、コスモを目指してどうのこうのと4人がイスマン夢物語のストーリーテリングキャラクターとして話していますが、これって素材選び(キャスティング)を失敗したら全く笑えないどころか、君ら何やってんの?と冷めた視線で言われるような盛大に空回りする内容だと思うんですよね。
でも実際はaespaの世界観に負けない、本人たちの素材の面白さがそこにあるために十二分に成立しているし、筆者のような異様な笑いを一定数生み出しているわけです。aespaの世界観としてはかなり奇異な手法で攻めてきているものの、私たちを好きにになって!を本人たちの素の部分に頼ってファンの心を掴んで実現させているのを見ると、キャスティングがどう考えても秀逸と思ってしまいます。ここをミスっていたらaespa全然笑えません。でもこのメンバー選びが成功しすぎていて憎めないというか、上手いことやってんなーと思えていつも笑ってしまいます。究極のバランス。
疑問1:これいつ終わるの?
エスパに対して疑問に思うことはみなさん多々あると思うのですが、筆者の一つ目の疑問はこれいつまで続くの?ということです。
まず“あえて普通をやらない”仲間のNCTについて少し言及すると、NCTの絶対にブレないこだわりの一つが音だと筆者は考えていて、SMはこれまでNCTのサウンドを途中で変更することなく粘り強くやってきているわけです。それを見ると、aespaも出発にあたり決めたことは当然事務所はやり抜くのだろうなと思うわけです。
で、同じ楽曲面を切り取るとaespaの場合NCTと違って、aespaはこういうサウンド!というのは現時点でなさそうだなとは思っているのですが、なにせaespaは世界観を歌詞にぶち込んできている。その上、SMは基本的に当初の重要なコンセプトは簡単に投げ捨てない。というわけで筆者としては「このストーリーテリング歌詞いつ終わんの?私たちはいつまでタイトル曲でこのお話を聞くのだろう。」と疑問を抱いてしまうわけです。いつマンバ倒して、コスモにたどり着くんでしょうか。まあこの辺は持ち歌3曲でミニアルバムさえも出ていない今の状況で答えが出る話ではないので次にいきます。
疑問2:私たちは8人組でアバターと共に活動し成長?メタバース・SM Culture Universeとは?
上にも書いた通り、SMは将来の展望があって、我々は先手を打つという姿勢でアイドル/新コンテンツを作っていて、そろそろ新しいアイドル作って売れさせよかという以上のミッションが毎回設定されている(と考えます)。きっと『aespaを理解したいなら、まずはイスマンを知れ』なので、イスマンの主要な発言を10年前のものからいくつかピックアップしてみることとします。
“外国のファンを仮想国民とする韓流仮想国家を作り出すことが最終目標 ”(2011年)
“我が国の強力な情報技術 ITと文化が結びついたコンテンツは途方もないシナジー効果を出すことができる” (2017年)
“AIとセレブリティーの時代。実在するスターとアバターが共にセンターになる世界。現実世界と仮想世界を行き来する活動” (2020年aespa結成にあたり)
筆者は雑に「情報通信技術の発展に合わせて、我々は世界中の韓国アイドルファンを繋げまくりたい、そしてその繋がりと交流を強化したい」という感じか?と理解しました。この世界中に輪を広げ、繋げ、共鳴したいはNCTで目指す。そしてaespaはその交流の方法について、さらに先の未来に視線を向けて「現実世界と仮想世界を行き来する時代へ」をキーワードにやっているんですかね。
最近このバーチャル分野、メタバースの概念がルーツであるゲーム分野以外の領域で応用されようとしている中で、イスマンもアイドルの分野でセレブリティを取っ掛かりにこれを考えていると言ったところでしょうか。数日前にマークザッカーバーグもメタバースの概念にしているのを読んだのでトレンドなんでしょうね。
まず、どの分野に応用されるにしろメタバースに関しては発展途中の新概念なので明確な定義はないものの、筆者のaespa × メタバースの理解はざっと:
(aespa話に限らず)この先、AI技術の発展、ネット上で可能な操作/行動のさらなる開放などで、人々のインターネットの世界での行動の幅が増え、その世界での移動の自由度が高まっていく。その結果、現実世界の自分だけでなく、これまで以上にデジタルの世界に存在する自分の活動が活発化してくる。また、現実の世界との行き来もよりスムーズで頻繁になる (これは現実とデジタル間の物理的な移動ではなく、人が生活する上での意識/注意や自身の情報について、二つの世界間でより自然かつ頻繁な連動・切り替わりが起こるようになると勝手にイメージ)。
そんな未来が来ると信じ、その先駆けとしてイスマンはaespaを作ることにした。aespaはそうやって現実世界とデジタルの世界の両方を股にかけて活動を行うし、今まで以上にデジタルの世界にも重きを置いてファンのみんなと交流したいと考えているよ。
という感じかなと。aespaは「デジタル世界に存在する自分」をわかりやすく実際のメンバーに似た姿形でaeメンバーを作成しているのですが、そもそものスタートのデジタル世界の自分は要は「デジタル世界に置く自分の情報」であると考えると、そのマスコットキャラ/アバターの有無はお好きにどうぞな部分ではないかと思います。まあ姿形がなくてデジタル世界の私は無形ですとか言い始めたら、aespa物語の進行と我々の理解に支障をきたすのでそりゃ当然キャラを作るのでしょうけど。
もうめちゃくちゃ雑に一文でまとめると、「aespaはデジタル/オンライン領域での活動・交流を強化していきますよ」ということなんではないでしょうか。
카리나는 신이에요.
疑問3:一応未来先取りな世界観だろうに、全く心躍らない(好みの問題)
以上を踏まえまして以下筆者の意見を述べていきます。これはイスマンがやりたいことの良い悪いのジャッジメントではなく、完全に一個人の好みか好みでないかの話なので悪しからず。
見出しに書いた通り、aespaはこれまでのアイドルのコンセプト選びというのを超えて、今後人々の行動をさらに変えるかもしれないデジタル世界の潜在性をみたSMが持ってきた渾身の世界観だと思うんです。しかも最先端のアイディア。でも全くワクワクしないんですよね。これは完全に受け手の好みの問題なんですが(遠い目)。
人工知能や情報技術の発展がもたらす便利さを認識しつつも、例えば自分の生活においてデジタル領域での活動が現実世界に増して活発化するのには抵抗感がある。aespa話で言うとデジタルの世界でのaeカリナとの交流を、あなたは今カリナと交流していますと同じにされるのもなんだかなと筆者は思ってしまう。アイドル分野でも現実世界(対面の世界)は強力だと思っているので、その点は疎かにせんといてくれと思います。そんなわけで筆者はメタバースに別に心躍らないという話です。
それとaespaの現実世界と仮想世界のコラボレーションという話について思ったことを一つ。 このSMが説明する「現実と仮想の行き来をするaespa」はこういう世界が近々来るぞ〜とか言いつつ、例えば映画バックトゥザフューチャーのように願望ベースで作るフィクションなのか、技術的考証を経て、リアルにこの設定をこれから現実のものにして浸透させるつもりなのかどっちなんですかね。後者の場合、企画会社SM Entertainmentを超えてデジタルプラットフォームを開発・整備する人が動く必要がありそうですよね。そうなるとアバターメンバー作るためにハリウッドのアニメーション制作チームをオファーしましたとかいうレベルにとどまらなくないですか?産業間の大コラボレーションが必要そう、、、。
まあSMがどの規模で夢見ているのかまだわかりませんが、個人的にはここまで壮大なことを自信満々に語っているのだから、しょぼいデジタルコンテンツで現実と仮想の行き来とか言わんといてくれよ、ファンとアーティストの関わり方のニュースタンダードを作るぐらいのブツを出してきてくれよと思います。今のところKWANGYAを各所で連呼する以外は、このK/DAのPOP/STARSのステージと何ら変わりないですね。そろそろ実際のデジタルコンテンツ展開する頃でしょうか。
さいごに
ここまでaespaについて思いの丈を長々と書いてきましたが、間違いなく近年活動している韓国アイドルの中で一番ウケるジワるで笑わせてもらっていて、カムバック期間中は大変楽しませてもらっているエスパであります。普通に好きです。またこの記事を書きながら、現実世界のメンバーと言いますかあの彼女たち4人の素の魅力を語りたいと勝手思ったりもしたので、また近々別の記事を出そうかなとか考えています。では。